紅ズワイガニ(ベニズワイガニ)の基礎知識と旬や食べ方

ズワイガニよりも一足先に旬を迎えるカニに、ベニズワイガニというものがあります。ズワイガニに比べ、ベニズワイガニは庶民的というイメージがありがちですが、ちょっとしたポイントに気をつけるだけでとても美味しくいただけるのはご存じでしょうか?
ここでは、お手頃で美味しいベニズワイガニについて詳しくご紹介します。
ベニズワイガニの基礎知識

ベニズワイガニは、日本海と東北地方の太平洋岸沖に生息する、名前の通り鮮やかな紅色が美しいカニです。ズワイガニとの見分け方は、甲羅の棘が1本であること、茹でていないのに紅色であることなどが挙げられます。茹でると両者とも同じような色になってしまうため、見分けるのは難しくなります。
値段はズワイガニよりも安価であり、手軽にカニを味わうことができる点がベニズワイガニの大きなメリットとなっています。
ベニズワイガニの旬や味は?
ベニズワイガニは、秋と共に解禁を迎えます。旬は9月上旬〜5月下旬であり、水揚げのピークは12月~1月です。
水分が多い種類のカニであるため鮮度の維持が難しく、生ではなかなか食べることができません。また、ズワイガニに比べると身入りが少なく感じられるのも、水分蒸発にともない、身が細くなってしまうのが大きな理由です。
さらに、美味しくいただくには茹で方にもちょっとした工夫が必要です。このため、ベニズワイガニは生や茹でガニとして出回るよりも、カニフレークや缶詰、カニコロッケなどに加工されて売られていることが多いです。
ズワイガニに比べるとかなり手頃な価格で流通しており、「ズワイガニ=高級、ベニズワイガニ=庶民派」という図式がすっかり定着してしまっています。
本当は美味しい!ベニズワイガニ

カニを知る地元の漁師なら迷わずベニズワイガニ。カニの水揚げ量の多くを占める山陰地方でカニを知り尽くした漁師はこう語ります。
獲れたて、茹でたての新鮮なベニズワイガニは、その甘さと濃厚な味わいからズワイガニを上回る美味しさであると言われています。最近では、地元の子どもたちにその美味しさを知ってもらうため、一部の小学校では給食で一人一杯ずつベニズワイガニを出すという試みも行われています。鮮度の良いものが手に入る地元ならではの動きであると言えるでしょう。
どうやって食べたら美味しいの?
ベニズワイガニは海底深く泥の中に生息するため、エラや殻の中にも泥が入り込んでいます。この泥が生臭さやえぐみの原因となるため、これをしっかり処理することでベニズワイガニ本来の美味しさが味わえます。
まず、甲羅の隙間などをブラシで丁寧に磨きます。ブラシは水で洗ってもカニの胴体には水をかけないようにしましょう。
脚・爪の部分と、味噌の部分とに分けて茹でるのも大切なポイントです。脚・爪はたっぷりの熱湯で10分強塩茹でします。カニ味噌は、ざるでこしてから味噌だけを甲羅に戻し、日本酒を注いで直火で焼くと、その風味を存分に楽しむことができます。
また、ベニズワイガニは鮮度落ちが速いため、美味しさは鮮度に大きく左右されます。殻が黒ずんだものは鮮度が落ちている証拠であるため、購入する際は紅く綺麗なものを選びましょう。
おわりに
お手頃で美味しいベニズワイガニについて詳しくご紹介しました。ベニズワイガニは、調理の際の一工夫で格別の美味しさが味わえます。ポイントは新鮮なカニを選ぶことと、泥を丁寧に処理して脚・爪の部分と、味噌の部分とを分けて茹でるということです。
ズワイガニに比べるとベニズワイガニはリーズナブルにいただけるのが大きな魅力です。鮮度が味を大きく左右するため、カニ漁が盛んなところへ訪れた際に食してみてはいかがでしょうか。