毛ガニの食べ方(さばき方・ゆで方)

冬の味覚の代表格として、カニをイメージする方も多くいることでしょう。中でも毛ガニは、味噌の風味や味の良、扱いやすい大きさなどから高い人気を誇っています。
近年では急速冷凍技術の発達やチルド配送などによって、通販でも取れたての毛ガニを味わうことができるようになりました。今回は、その毛ガニのさばき方や茹で方を紹介していきます。
冷凍された毛ガニは自然解凍する
毛ガニ本来の旨みを味わうためには、室温や電子レンジで解凍するのではなく、冷蔵庫で自然解凍させることが大切です。急速に解凍すると味が落ちてしまうため、低温で解凍するようにしましょう。
まずは、乾燥により味が落ちるのを避けるため、キッチンペーパーなどで冷凍された毛ガニを包みます。解凍の際には溶けだした水が垂れるため、ざるやパットに入れましょう。なお、冷蔵庫内にカニを置くときには、カニ味噌が流れ出るのを防ぐために、必ず腹を上にすることを心がけましょう。
解凍時間は大きさにもよりますが、20時間前後です。解凍が不十分であるとさばくときに苦労しますし、調理中に解凍が急速に進むことによって味が落ちてしまいます。調理する予定の時間を意識し、いつ頃解凍を始めるべきなのか慎重に判断しましょう。
毛ガニを美味しく茹でる方法

まず毛ガニが丸ごとつかる大きめの鍋を用意し、3〜4%程度塩が入った塩水を沸騰させていきます。そして塩水が沸騰したら、腹を上にして毛ガニを鍋に投入します。
毛ガニを入れると一度沸騰がおさまりますが、しばらくすると塩水が再沸騰します。1適切な茹で時間は再沸騰してから5〜20分程度といわれています。500g以下の毛ガニであれば15分前後、1kg近い場合には20分前後を目安にしておきましょう。
茹であがったら毛ガニを鍋から取り出し、表面についた白いかすなどを洗い流すために軽く水洗いをします。その後、10分ほど冷ませば茹でガニの完成です。
毛ガニを解体する手順

毛ガニは全身にトゲがあるため、作業をする際には軍手やゴム手袋などを手にはめましょう。さばく道具としては、キッチンばさみや包丁があると便利です。ただし、毛ガニは比較的殻や甲羅が硬いカニであるため、キッチンばさみの方が便利になるケースが多いといわれています。
まずは、脚と胴体を切り離すところから始めます。脚の付け根に柔らかい関節部分があるため、その部分にキッチンばさみを入れて10本全て切り離しましょう。
次は胴体の裏側についている「前掛け」を外していきます。胴体の裏側を見えると下部に「三角形」の形をしたものがありますが、それが前掛け(ふんどし)と呼ばれる部分です。この前掛けの先端に親指をかけ、浮かせるように力を入れていけば取り外すことができます。
前掛けを外したら、次はその外した部分に両手の親指を入れ、胴体から甲羅を取り外します。ここまでの行程で、毛ガニを「脚」、「胴体」、「甲羅」の3つの部分に解体することができます。
毛ガニの身の取り出し方
脚に関しては、両サイドにキッチンばさみで切り込みを入れて殻を一面だけ外せば、綺麗に身を取り出すことができます。ただし、表側はトゲが多く切り込みを入れづらいため、裏面から切り込みを入れるようにしましょう。
胴体に関しては、まずは見えているカニ味噌を別皿に移すことから始めましょう。そして脚の付け根の部分から切り込みを入れて開けば、胴体の身もしっかりと取ることができます。
おわりに
ここまで、毛ガニのさばき方や茹で方などを紹介してきました。毛ガニの醍醐味であるカニ味噌を単体で味わいたいのであれば、調理をする前にできる分だけ別皿に移しておくと都合が良いでしょう。
また、大きな力を入れたり向きを頻繁に変えたりしてしまうと、カニ味噌が飛び散ってしまう恐れがあるため、慎重に作業を進めるようにしましょう。