実は10年以上も生きる!カニの寿命について

実は10年以上も生きる!カニの寿命について
動物はそれぞれ、違った寿命を持っています。人間がそうであるように個体による差もありますが、そこから大きく逸脱するような寿命を生きる生物は存在していません。ただ、犬や猫などの人間に近い動物についてはともかく、ペットとして飼うことがないような動物となると、どれぐらいの寿命を持っているのか、意外と知られていないのではないでしょうか。
ここでは、食用としても人気が高い「カニ」について、その寿命を紹介します。

最も長寿なカニはタラバガニ

さて、一口にカニと言っても、その種類は一つではありません。カニというのはあくまでも生物のカテゴリーであって、種類によっても寿命に違いがあります。最も長く生きるとされているカニは食用にされることも多い「タラバガニ」です。
タラバガニは野生のものでも15年から20年近く生きることが知られています。しっかりとした飼育環境を整えると20年から30年生きることもあるほど長寿なカニです。
ただ、このタラバガニについては、「長く生きるカニ」として紹介して良いのか少々不安定な所があります。というのも、タラバガニはカニという名前が付いているだけで、実際にはカニではないためです。
タラバガニは十脚目−異尾下目−タラバガニ科の動物です。これだと分かりにくいのですが、問題となるのは「異尾下目」という部分です。異尾下目というのは「ヤドカリ」の属している下目であり、正確にはタラバガニはカニではなくヤドカリの仲間ということになります。他のカニが八脚であるのに対してタラバガニが十脚であるのもここが原因です。

ペットとして飼われる事が多いサワガニの寿命

では次に、川辺などで採取されてそのままペットとして飼われる事が多いサワガニについて見て行きましょう。サワガニの寿命はタラバガニに大きく水をあけられ、おおよそ5年から10年ほどであると言われています。ただし、これは野生における寿命です。
ですが、実際にサワガニを飼った経験がある人ならお分かりでしょうが、ほとんどの場合は一年以内に死んでしまいます。長く生きても3年程度ということが多いでしょう。
この理由は、サワガニの生育環境を整えるのが難しいことにあります。家庭において水槽で飼うというのは、敵からの攻撃によって死んでしまう可能性がない代わりに、免疫力が低下し、短命になりやすいことには注意しましょう。

おいしい食材として有名な毛蟹の寿命

最後に、食用として用いられることが多い毛蟹についてその寿命を紹介します。毛蟹の寿命はおおよそ15年ほどであることが知られています。最初に紹介したタラバガニに比べると多少短いものの、サワガニに比べると長く生きます。この15年のうち、メスは2年間ほどを産卵のために費やすことになります。産卵後には一年間ほど卵を直接抱き抱えるようにして外敵から守る必要があるためです。実際の活動時間はオスに比べて短くなります。甲殻類であるカニは、脱皮を繰り返すことで体を大きくするという生育過程をたどります。この脱皮の際には多くの危険が潜んでおり、脱皮の際に命を落とす個体も少なくありません。たとえば脱皮前の皮が引っかかってしまい、身動きが取れなくなり死んでしまうケースや、脱皮直後のまだ殻の硬度が戻っていない間に外敵に食べられてしまうケースなどが考えられます。ここまで紹介してきた寿命はあくまでも事故や外敵の襲撃がなかった場合の寿命です。

おわりに

カニの寿命は種類によってもバラバラです。そして、生育環境によってもその寿命は大きく左右されます。立派なカニを食す際は、その長い年月に想いを馳せながら、自然の恵に感謝しつつその身を味わいましょう。

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