脱皮したてのカニ、ソフトシェルクラブとは?
ソフトシェルクラブは脱皮したての柔らかいカニの総称です。殻を剥かずに丸ごと食べることができるため食べやすく、また本来のカニではできない調理法を楽しむことができます。
ここでは、ソフトシェルクラブの特徴と調理法をご紹介しましょう。
ソフトクラブシェルはどんなカニ?
ソフトシェルクラブとは、脱皮したての殻が柔らかいカニの呼び名です。アメリカ東海岸ではブルークラブ、東南アジアではマングローブガニ、オーストラリアではマッドクラブといったワタリガニ系の脱皮したての個体が使われています。
5月から7月にかけてが旬で、アメリカでは夏の風物詩として親しまれています。中にはこの時期に捕れたカニをいけすで飼育し、脱皮した所を調理しているレストランもありますが、一般的には冷凍されたカニを調理しています。カニはもともと固い殻に覆われているので、そのままでは大きくなることができません。そのため、脱皮することで成長します。古い殻からカルシウムを吸収して脱皮し、新しい殻がまだ柔らかいうちに外から水分を吸収して、その圧力で膨らんで大きくなるのです。そして、体内に吸収していたカルシウムを新しい殻に戻し、再び硬化して成長します。その殻が固まったものが我々の慣れ親しんでいるカニですが、固まる前に捕獲して調理するのがソフトシェルクラブというわけです。
日本では脱皮したてのカニは身入りが少ないため、商品価値が低いものとして注目されていませんでした。しかし、海外の食文化の影響から、日本でもカニのさまざまな調理法が導入されているため、最近は少しずつソフトシェルクラブを食べる習慣が広がりつつあります。
養殖では餌を十分に与え、身が詰まった脱皮したてのソフトクラブシェルを急速冷凍して出荷されます。そのため、最近は日本でも美味しいソフトシェルクラブを通販でいつでも手に入れられるようになりました。
ソフトシェルクラブの調理方法
ソフトシェルクラブは殻から身まで全て食べることができるため、カニの旨みを存分に味わうことができます。代表的な調理方法はフライやソテーなどで、味付けもシンプルなものが美味しいため家庭で手軽に調理できます。
調理前の下処理として、裏のはかまとエラを取っておきます。殻が柔らかいため、全て手で簡単に取り除くことができます。冷凍ものだと下処理が終わった状態であることも多いため、家庭では一層手軽に調理することができます。
下味は軽く塩コショウをするだけ、衣に小麦粉を軽くつけて油で揚げます。厚めの衣が好きな場合は、先に溶き卵にくぐらせてから小麦粉をつけます。注意しなければならないのは、カニの中身に水分が多いほど油がはねるという点です。ソフトシェルクラブは通常のカニよりも体内に水分を多くもっている食材であるため、特に油はねには気をつけて、深めの鍋か油よけのスプラッターガードを使うと安心です。またもう一つ、調理に使う包丁はよく切れるものを使いましょう。ソフトシェルクラブは殻も身も非常に柔らかいため、半分に切って調理しようとする際に潰れてしまう恐れがあります。
また、フライやソテー以外でもパエリヤやスパゲティー、巻き寿司の具にするなどジャンルを問わず幅広い料理に利用することができます。
おわりに
ソフトシェルクラブは日本ではまだまだ珍しいメニューです。最大の魅力は殻をむく必要がないことで、殻ごとサクッと食べることができます。子供からお年寄りまで食べやすく、家庭でも簡単に楽しむことができるのも大きなメリットです。日本でも通販で手に入れやすくなって取り扱う飲食店も増えつつあるため、今後は日本でも新たな食材として商品価値が上がることが期待されます。