カニ漁の方法~刺し網漁法・底引き網漁法・カニかご漁~

カニ漁の方法~刺し網漁法・底引き網漁法・カニかご漁~
私たちの食卓を贅沢に彩るカニは、季節の贅沢品として良く知られています。味も見栄えも最高の状態で食卓へ届けるために、獲るカニの種類に合った方法で、なるべく傷つけないように漁が行われます。
ここでは、刺し網漁法・底引き網漁・カニかご漁の3つの漁獲方法の特徴を紹介していきます。

刺し網漁法の特徴

刺し網漁法とは、海中に網を投げ入れて張りを持たせ、その網目にカニを絡ませて捕獲する漁法です。刺し網は網の上縁部分に浮子(あば)、下縁部分に沈子(いわ)を付けて水中に垂直に張ります。網にカニが刺さったような状態になるため、刺し網と呼ばれます。
この方法は、法定知事許可漁業として定められており、漁獲可能な水深や水域、漁期、などが決められています。また、この漁業は関係機関によって厳しく管理監督されており、漁獲地域ごとにさまざまな制限が設けられています。1隻当たりの許可網数も定められ、いくらでも使用できるわけではありません。また、資源保護の観点から、タラバガニのようにメスガニの漁獲自体が禁止されていたり、漁獲は許可されていても漁期が短く制限されていたりします。オスの場合も、漁獲可能なカニの甲幅のサイズの下限が定められています。
刺し網漁業の操業は1、2名の少人数で漁船に乗り込み実施します。漁場に出て、数日前に仕掛けた網を巻き上げ、新たな網を設置します。網に掛かったカニは船舶上または陸上の小屋で取り外します。カニの商品価値を維持するためには、網に掛かったカニを傷つけないように、網目を緩めながら手際良く取り外さなければなりません。上手に行わないと足を折ってしまうため、この作業には熟練された技術が必要です。
刺し網漁法は、主に、タラバガニ、ズワイガニ、イバラガニ等を獲る漁業形態として使われています。

底引き網漁の特徴

底引き網漁とは、漁船に固定された2本の引き綱がついた網を海底に沈め、船を動かして網を引き漁獲物を採捕する漁法です。底引き網漁には、比較的大きな船で数日間に渡って行われる沖合い底引き網漁、比較的小さな船で日帰り操業により漁獲する小型機船底引き網漁、以西底引き網漁業、大きな船で海外の海にまで行き半年以上かけて操業する遠洋底引き網漁などがあります。
底引き網漁によって獲れるカニでは、北海道地方のオスのズワイガニ、常磐・房総周周辺および日本海北部の松葉ガニのオスやメスのズワイガニ、北陸・山陰周辺の松葉ガニや越前ガニのオスとセコガニやコウバコガニ等が挙げられます。
漁獲するカニの種類別に、どの種類の底引き網漁で行うかについては、特定の定めはありません。1、2名で乗り込み、日帰り操業で行う小型機船底引き網漁もあれば、大型船に10名近く乗り込み1航海を数日間の操業で実施する沖合い底引き網漁もあります。

カニかご漁の特徴

カニかご漁法とは、かごの中にカニのエサを入れて海底に沈め、かごの中に入ってきたカニを獲ります。カニかご漁法はカニを傷つけずに漁獲できるため、カニへの負担やストレスが少ない方法であると言えます。
また、底引き網漁とは違い、カニかご漁法はかごの中に砂が入らないため、たくさんの砂がカニの甲羅の中に入るのも防げます。
カニかご漁は漁獲性能が非常に良いため、使用するかご数、かごのサイズ、網目および入口のサイズ、漁船の隻数や規模、漁場および漁期などに制限が設けられています。
鳥取県のカニかご漁業の場合、直径110~130cm、高さ50~80cmの円錐台形の金属枠に網を張ったかごを使用します。そのかごを50m間隔で海底に沈め、サバ、イワシなどをエサとしてかごの中に入れます。カニかご漁業は漁獲対象により操業される水深が異なり、ズワイガニの場合は水深200~500m、ベニズワイガニの場合は水深1,000~2,000mです。

おわりに

カニが料理店や家庭に届くまでに、さまざまな方法によって水揚げされます。カニの漁獲法の知識は食の楽しみをより一層深いものにしてくれるでしょう。

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