カニの数え方は杯?匹?肩?正しい蟹の数え方

カニの数え方には「杯」、「匹」、「肩」など、さまざまな表示が見られます。ここでは、それぞれの数え方の違いについてご紹介します。
「杯」と「匹」の違い
カニは、1杯、2杯と数えられることもあれば、1匹、2匹と数えられることもあります。「杯」と「匹」はどのように使い分けるのでしょうか。
実は、海や川でカニを「生き物」として数えるときは匹で数え、市場や店頭で「食材」として数えるときは杯で数えます。海で捕まえた3匹のワタリガニが食卓に並ぶと、3人家族で一人1杯ずつ食べられるということになります。
「杯」の由来

「匹」は多くの生き物に共通した数え方ですが、「杯」はカニやイカなど、特定の食材に限って使用される数え方です。「杯」という数え方が生まれた背景には、主に、以下の3つの説があるようです。
一つ目は貝に由来するという説です。昔はカニも貝の仲間であると考えられていました。「貝」は「バイ」や「ハイ」とも読まれます。そこから、同音の「杯」の漢字をあてて数えられており、カニも「杯」と数えるようになったということです。
二つ目は、カニの売られ方に由来するという説です。昔はカニがたくさん獲れたため、一匹ずつ数えて売るのではなく桶に入れて1杯、2杯と売られていたことから、カニを「杯」で数えるようになったと言われています。
三つ目は、漢字「杯」の意味に由来するという説です。「杯」は訓読みで「さかずき」と読まれますが、液体が注がれる容器の意味があります。器に入れたドリンクやスープ等の液体の数量を1杯、2杯と数えるのはこれに由来しています。
甲羅をひっくり返してカニ味噌などを入れて焼く甲羅焼きや、甲羅に熱燗を注いで飲む甲羅酒など、カニの甲羅を器に使う調理法がよく知られているように、カニの甲羅は裏返すと杯(さかずき)のような形をしています。
ちなみに、カニと同様に「杯」で数えられるイカも、胴体が空洞になっていてイカ徳利が作られることから、同様に1杯、2杯と数えるようになったとも言われています。
「肩」で数える場合

カニは、丸ごとではなく切り分けた状態で売られることもあります。この時、甲羅やえらを取り除いた胴体が半分に割られた状態を「一肩」と言います。「肩」はカニ独特な数え方です。一肩には足が5本ついており、カニ1匹をさばくと2肩取れます。さらに細かく切り分けられて脚がバラされている場合は、1本、2本と数えられます。
好みのサイズや状態を選ぶために覚えたいその他のカニの表記
カニはサイズの表記方法が多様です。一番一般的なサイズ表記は重量(kg、g)ですが、1L、2Lと容積(L、リットル)で表記されることもあります。「大」、「特大」などで体の大きさが表されていたり、「太」、「極太」などで脚の太さが表されていたりすることもありますが、これらは、それぞれの店が独自に設けた基準です。
複数の店のカニのサイズを比較する際には、共通の単位であるkgやLで比較する必要があります。身がしっかり詰まったカニを選ぶには、大きさに対して重いものを選ぶのがポイントです。
また、ゆでたカニは水分が抜け、生の状態に比べて1割ほど軽くなるため、ボイルと生で比較する際には、同じ重量であればゆでたカニの方が身入りは良いと言えます。
おわりに
「杯」、「匹」、「肩」などのカニの数え方の使い分けや由来、そして、カニを購入する際に役立つカニのサイズ表記について説明してきました。
旬を迎え、しゃぶしゃぶやお鍋、焼きガニに甲羅酒とお家でカニを味わう方も多いことでしょう。購入の際には、こちらを参考に、身のたっぷり詰まった食べごたえたっぷりのカニを選んでみてはいかがでしょうか。