ズワイガニと紅ズワイガニの違いと、超希少な「黄金ガニ」とは

ズワイガニ属のカニの中でも特に有名なものとして、ズワイガニと紅ズワイガニがあります。名前は知っていても、その違いについて詳しく知っているという人は少ないかと思います。
では、この両者にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、ズワイガニ、紅ズワイガニの違いと、黄金ガニについて詳しくご紹介します。
目次
ズワイガニと紅ズワイガニの違い

1.見た目
ズワイガニの見た目は、どちらかというと茶色に近い色で、茹でるとオレンジ色になります。
それに対して、紅ズワイガニはその名前の通り、まるで茹でたあとのカニのように、はじめから鮮やかな紅色をしています。また、紅ズワイガニはズワイガニと比較すると小さく、脚が長細いのが特徴です。
2.生息地
ズワイガニは主に、北海道から山陰地方、島根県沖の日本海に生息しています。一方、紅ズワイガニは日本海全域と、北海道の銚子より北の太平洋岸やオホーツク海までと、広範囲に生息しています。
また、ズワイガニは水深200〜400mに生息するのに対して、紅ズワイガニは800m以上の海底に生息しています。
3.獲れる時期(旬)と漁法
ズワイガニは11月6日に漁の解禁日を迎え、メスは1月10日まで、オスは3月20日までの、冬の時期に水揚げされます。それに対して、紅ズワイガニは漁期が長く、9月1日から6月30日までの、秋から春にかけて長く水揚げされます。
その漁法にも違いがあり、ズワイガニが底引き網漁法で水揚げされるのに対して、紅ズワイガニは、1万mにも及ぶロープに結びつけた、かご網を海底に仕掛ける「カニかご漁」という漁法で水揚げされます。
このカニかご漁に使われるかごは構造に規定があり、小さなカニを獲ったりしないように配慮されています。
4.価格
紅ズワイガニは、ズワイガニと比較すると水分が多いため身の入りが少なく感じられることや、漁期が長く、獲れる量も多いことなどから、ズワイガニの価格の8分の1から10分の1と、手頃な価格で販売されています。紅ズワイガニは、リーズナブルにカニの魅力を味わうことができます。
5.身と味の特徴
ズワイガニの身は繊細で美しく、ぎっしりと詰まっており、ぷりぷりとした食感が特徴です。カニ味噌は濃厚で、調味料を用いなくてもしっかりとした旨みを味わうことができます。
紅ズワイガニも味や肉質はズワイガニに似ていますが、身は甘みがあり、水分が多めでジューシーなのが特徴です。鮮度維持が難しいとされる紅ズワイガニですが、鮮度が高ければ高いほど身に水分が保たれ太い身を持っています。
6.食べ方
ズワイガニは、焼きガニや天ぷら、鍋、刺身など、さまざまな調理方法に向いています。それに対して、新鮮な紅ズワイガニは茹でたり、刺身にしたりするのに向いています。また、缶詰やカニクリームコロッケといった加工品にも多く使われています。
幻の高級ガニ、「黄金ガニ」

大量に水揚げされる紅ズワイガニの中に、時折、少し違うカニが混ざっていることがあります。それが、2000匹の中に1匹とも、3000匹の中に1匹ともいわれる幻の高級カニ、黄金ガニです。紅ズワイガニと見た目はそっくりですが、甲羅が硬く、若干トゲトゲとしており、腹や脚の裏が白いのが特徴です。
黄金ガニは、ズワイガニのオスと、紅ズワイガニのオスが交配したものです。両者のいい部分を受け継いでおり、弾力ある引き締まった身がぎっしりと詰まっています。上品な甘さとジューシーさを持ち、カニ味噌も濃厚な味わいがある良質なカニです。
おわりに
ズワイガニと紅ズワイガニの違いについてご紹介してきました。身がぎっしりと詰まった高級なズワイガニと、リーズナブルにカニの魅力を味わえる紅ズワイガニ。そして、幻のカニと称される黄金ガニ。カニが旬を迎えるこの冬に味わってみてはいかがでしょうか。