石川県金沢の名産カニ、加能ガニとは?加能蟹の旬や解禁日
冬の味覚の王様と言えば、カニを思い浮かべる人も多いでしょう。カニは名産地ごとに松葉ガニや越前ガニなどブランド化された呼び名で親しまれています。ここではカニの本場、北陸地方の中でも石川県のブランドである加能ガニについて、その特徴などを紹介していきます。
加能ガニとは、どんなカニ?
加能ガニは、石川県で水揚げされるオスのズワイガニを指します。石川県は元より新鮮な海産物が多く獲れる地域で、もちろんカニの漁獲量も多く、名産のひとつでした。
隣の福井県の越前ガニがブランドとしては余りにも有名ですが、それに勝るとも劣らない石川県のカニを広めるために、独自のブランド名として加能ガニという名前が付けられたのは2006年のことです。それまでは石川県産のカニに対して特にブランド名はなく、単に石川県産ズワイガニと呼ばれていました。
2006年に石川県内の漁協が一つに合併されたことを機に、県産ズワイガニの呼び名を一般公募して決定した名前が加能ガニです。石川県は県南の加賀地方と能登半島側の能登地方という2つの地域から成り立っているため、加賀の「加」と能登の「能」の文字を取って加能ガニと名付けられました。
メスのカニは香箱ガニと呼ばれています。甲羅の中の内子と呼ばれる未成熟の卵は絶品とされており、こちらの方を好んで食す人も少なくありません。加能ガニは脚に水色のタグが付けられています。このタグには水揚げされた漁港の名前が刻印されており、正真正銘の加能ガニとして自信を持って提供できる、品質のよいものに限って取り付けられています。
加能ガニの旬と美味しいカニの見分け方
石川県では一年を通じて色々な種類の海産物が豊富に獲れますが、春夏秋冬、それぞれの季節を代表する海の味覚として「石川の四季のさかな」が県漁協によって決められています。
冬のさかなには、もちろん加能ガニと香箱ガニが指定されており、やはり石川県を代表する海の幸の、最も美味しい旬の時期となっています。
加能ガニは11月から1月の3ヶ月くらいの間が最も美味しいとされています。この時期のカニは甘みも強く、ぎっしり詰まった身は調理しても硬くなりにくいため、ふっくらした食感を味わうことができます。
旬の時期でもさらに美味しい加能ガニを見分ける方法がいくつかあります。ひとつは、カニ自体の重さがしっかり感じられ、甲羅が硬いものが身も詰まっていて美味しいとされています。また、カニの甲羅に付着している黒い粒がありますが、これはカニビルと呼ばれる環形動物の卵です。カニビルが多く付いているものは、カニが脱皮してから長い時間が経っているということで身の入りがよいと言われています。
加能ガニの漁期はいつからいつまで?
加能ガニの漁期は11月6日の解禁から3月20日までの約5ヶ月間という、冬場の限られた期間で行います。もちろん、冬の寒さの厳しい北陸地方では、この漁期の間に毎日船を出せるわけではありません。冬の日本海は荒れる日も多いため、加能ガニの漁は危険を伴う上に日数も限られることになります。
基本的に日帰り操業の漁であることから、その日に水揚げされた鮮度のよい加能ガニが出荷されますが、漁のできない日もあることから、あえてカニを活かしておくことで期間中の安定的な出荷に努めています。
また、香箱ガニは、資源保護の観点から加能ガニよりも短い漁期で、11月6日から12月29日の間となっています。オスの加能ガニも水揚げのサイズを9センチ以上に設定するなど、貴重な加能ガニを守るための努力も徹底されています。
おわりに
加能ガニについて、その名前の由来や旬の時期、漁期などを紹介しました。まだまだズワイガニのブランドとしては目新しい部類に入る加能ガニですが、石川県のカニ自体は元々冬の味覚として人気があります。まだ食べたことのない方は、ぜひ一度味わってみてください。